AV業界で働くなら知っておくべき!AVに出演する女の子を守る「AV人権倫理機構」の役割とは?

AV倫理機構

「AV人権倫理機構」は、2017年10月に発足した組織です。

 

2016年に大きな社会問題となった、AV女優さんの出演強要などが再び起きないようにするため、AV業界の健全化を目的としています。

 

AVメーカー、プロダクションなど、AV業界全体に第三者視点からチェックの目を向け、特にAVに出演する女性が安心して仕事できるような環境を整えるための活動をおこなっています。

 

AV業界で働く、特にAVに出演するのであれば、なにかトラブルや困った状況に陥ったときのために、このAV人権倫理機構がどのような役割をはたしているのかを知っておくべき、と言えますね。

 

そこで今回は、AV人権倫理機構にはどのような役割があるのか、そしてAV人権倫理機構の外局「AVAN」についてご紹介します。

AV人権倫理機構は「適正AV」の基準づくりやAVの販売停止などに深く関わっている

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AV人権倫理機構の活動にはさまざまなものがありますが、そのなかでも特に大きいのが「適正AVの基準づくり」、そして「AVの販売停止申請」です。

 

それぞれ、どのような仕事なのかをご紹介します。

 

①「適正AV」はAV女優さんの人権に配慮されて制作されているかが大きなポイント

 

「適正AV」とは、一言で説明すると「AV人権倫理機構が提唱した、女優の人権に配慮されて制作され、正規の審査団体の審査を受けたAV」です。

 

特に重要なポイントとなっているのが、出演するAV女優さんの人権に配慮されているか、という点。

 

たとえば、女の子がAV女優さんとしてプロダクションに所属する際に、本人に出演意志があるのか(強要されていないか)、契約書や事前の説明にウソが混ざっていないか、などAV女優さんとしてのスタートからチェックが入ります。

 

実際の撮影現場でも、女優さん本人の意志で出演を決めたか、撮影内容について説明を受け、納得しているか、事前説明のないプレイをムリヤリさせられていなか、などの点がチェックされます。

 

つまり女の子が本人の意志で出演を決め、やりたくないことを強要されていないか、といった点が重視されているわけです。

 

②「適正AV」が決められていなかった時代は撮影時にトラブルもあった

 

この「適正AV」が決められていなかった時代は、本人の意志ではなくAVに出演させられる出演強要や、言葉巧みに出演へと誘導して本人の意志が固まる前に流れでデビューさせてしまう行為などが実際に存在しました。

 

またAVの撮影時も、過激な作品を撮影しようとするあまり出演女優さんにケガをさせてしまったり、本人がやりたくないプレイをムリヤリやらせたりといった問題も起こっています。

 

「適正AV」の登場により、こういったケースはほとんど見られなくなり、AV女優さんが安心してAVに出演できる状況が整えられた、と言えるでしょう。

 

③AVの販売・配信停止の申請ができる

 

AVを引退した際などに、それまでの出演AVの販売や配信を停止してほしい、と考えるAV女優さんも多いでしょう。

 

特にその後、AV業界とは完全に縁を切って、別業界で働く、結婚するなどの場合、自分の出演作品がずっと販売・配信されていると考えると不安になって当然、と言えます。

 

そういった元AV女優さんのために、AV人権倫理機構ではAVの販売や配信の停止申請を受け付けています。

 

早ければ申請から1ヵ月、遅くとも2~3ヵ月で販売・配信を停止できます。

 

④AVの販売・配信停止を申請してもすべての作品が消えるわけではない

 

AV人権倫理機構にAVの販売・配信停止の申請をしても、対応してもらえるのは「FANZA」とそのAVを制作したメーカーのホームページのみとなっています。

 

その他のプラットフォームでは、出演AVを削除することはできません。

 

メーカーから新たにDVDを出荷することなどはなくなりますが、それまで市場に出回っているDVDを回収したり、個人が保存しているデータを消すなどといったことは不可能となっているのです。

 

販売・配信停止の申請をしても、現実的に世の中に出回っているAVをすべてなくせないことは、心得ておくべきでしょう。

 

AV人権倫理機構の外局「AVAN」はAV女優の働く環境を守る枠割をはたしている

環境

AV人権倫理機構には「AVAN」という外局が存在しています。

 

このAVANは、AV女優さんの人権を守り、AV女優さんが自由な意志を持ってAVに出演できる環境を守るための組織となっています。

 

AVANのおこなっている業務について、ご紹介します。

 

①AV女優としてのスタート時に女の子が自分の意志でデビューを決めているかを確認する

 

AVANは、AV人権倫理機構が提唱している「適正AV」に賛同しているプロダクションに対し「重要事項説明チェックシート」と「アダルトビデオ出演意志確認書」の2つの書類を配布しています。

 

「重要事項説明チェックシート」は、AVに主演するというのがどういうことであるのか、メリットやデメリットを含めて女の子に確認してもらうための書類、「アダルトビデオ出演意志確認書」は、その名のとおり女の子が自分の意志でAVに出演を決めたことを表明するための書類です。

 

AVANではこの女の子がサインしたこの2つの書類に合わせて、女の子とプロダクションの間の業務委託契約書も保管して、女の子が強要されてAV出演させられていないかどうかの確認をおこなっています。

 

またプロダクションに所属していないフリーのAV女優さんについても、同じように意思確認などが実施されていますので、もし「将来的にフリーで活動してみたい」と考えている女の子にとっても安心、と言えますね。

 

②AV女優さんがサインした書類などの保管・管理もおこなっている

 

AV女優さんがサインした書類は、AVAN内で厳重に保管・管理されています。

 

なにかの拍子にこれらの書類が必要になった際は、AVANに問い合わせれば書類の確認もできます。

 

③総集編AVなどで使用されたAV女優さんへの二次利用報酬の支払い

 

AV業界では、以前制作したAVの映像を集めた「総集編AV」が数多く発売されています。

 

総集編AVは安価で長時間収録である場合が多く、AVファンにとってはうれしい存在ですが、この総集編AVに収録されたAVの出演女優さんには、出演料が支払われないのがこれまでの慣例でした。

 

そこでAVANでは、メーカーが総集編AVを制作する際に二次利用料の支払いを求め、収録されているAV女優さんに「二次利用報酬」として分配する仕組みを整えています。

 

人気女優さんや活動歴が長い女優さんであれば、総集編AVに収録される機会も多くなるため、この二次利用報酬だけでもなかなかの金額になることもあるそうですよ。

 

まとめ

 

AV人権倫理機構は、出演する女優さんの人権を守り、安心してお仕事ができるような仕組みを整えている団体です。

 

ただしすべてのAVメーカー、プロダクションがこのAV人権倫理機構の会員となっているわけではありません。

 

そういった会員外のAVメーカーやプロダクションは、当然「適正AV」に含まれる基準、AV女優さんの人権を尊重する点を守っていない可能性も否定はできないのです。

 

今からAV女優さんとしてデビューを考えている女の子は、まずは所属するプロダクションとして、AV人権倫理機構の会員団体である「日本プロダクション協会」「第二プロダクション協会」に加入しているプロダクションを選ぶようにしてください。

 

「ちょっと面倒くさい……」なんて思ってしまうかもしれませんが、自分が働く業界のことをしっかり調べて、安心して働ける環境を選ぶのはとても大切なことですから、面倒くさがらないようにしてくださいね!