AV女優さんの権利のひとつ「AV5年ルール」とはどういうもの?改めて勉強しておこう!
AV業界において「出演強要」が大きな問題となったのが、2016年のこと。
その後AV業界の適正化に向けての動きが盛んになり、AV人権倫理機構が誕生したのが2017年、その際にAV女優さんの権利のひとつとして提言されたのが「AV5年ルール」です。
この「AV5年ルール」、実際に適用されるようになったのは2018年のことですので、2023年にはこのルールが適用される作品がドッと増加する、と考えて良いでしょう。
そのため改めて、この「AV5年ルール」とはどういったルールなのか、さらにこのルールはAV女優さんにとってどのような影響があるものなのかについて、AV女優さんとして働くのであれば学んでおくべき、と言えるのです。
そこで今回は「AV5年ルール」について、説明していきます。
販売から5年が経過したAV作品は基本的にはそれ以上販売できなくなるのが「AV5年ルール」の基本
「AV5年ルール」とは、発売から5年が経過したAVについて、AVメーカーさんが自主的に販売を停止するルールのことを指します。
AVは一度撮影し、販売されると基本的にずっと市場に残り続ける、それが昔は当たり前でした。
もちろん昔のVHS、また現在でも主流のDVDといった形態で発売されている商品は、発売されてからの年月が過ぎれば自然とDVD販売ショップから姿を消していき、そのまま出演しているAV女優さんの存在もフェードアウトしていく、という流れがあった事実があります。
その点、実物の商品ではなく、ホームページなどでのダウンロード販売が主流になってきた近年では、一度発売されたAVは半永久的に発売され続ける状態になってきてしまいました。
AVが半永久的に販売され続ける状態であると、もし出演したAV女優さんが「AVに出演した過去を消したい」と考えている場合、いつ誰にバレるかを心配して心理的な負担となってしまう可能性が高くなります。
そういったAV女優さんの心理を考慮して、発売から5年が経過したAVは販売を停止するルールが制定されたわけですね。
ちなみにこの「AV5年ルール」というのは、便宜上わかりやすくするために付けられた名称であって、正式名称ではありませんのでご注意ください。
「AV5年ルール」が経過してもAVを販売し続けるためには出演したAV女優さんとの再契約が必要になる
AVの発売から5年が経過した場合、自然にその販売が停止されるのが「AV5年ルール」ですが、発売から5年が経過しても販売を続けられる方法もあります。
それが「出演しているAV女優さんと、改めて契約を結ぶこと」です。
再契約を結ぶことで、発売から5年が経過したAVもそのまま継続して販売ができるようになるわけです。
ただしこの再契約には、ハードルが高い面もあります。
AV女優さんとの再契約が難しくなる理由について、ご紹介しましょう。
①引退してしまったAV女優さんの連絡先がわからないケースが多い
AV女優さんが5年を経過しても現役で活動していたり、AV女優さんとしては引退していても芸能活動を継続しているような場合は、連絡を取るのは難しくないため再契約ができる可能性は高くなるでしょう。
また現役時代に利用していたSNSアカウントを継続して使用しているような場合も、連絡が取れる可能性はゼロではないのでまだ再契約はできるかもしれません。
しかし一度AV女優さんを引退してしまうと、そのまま連絡が取れなくなってしまうAV女優さんもいますし、むしろ大部分のAV女優さんはそちらのほうに該当します。
連絡先がわからなければ再契約をしたくてもできませんので、そのまま販売停止されてしまうケースが多くなるわけです。
②複数のAV女優さんが出演している場合は全員との再契約が必要
企画AVでは、ほとんどの場合複数のAV女優さんが出演しています。
「AV5年ルール」をクリアしてAVの販売を続けるためには、出演しているAV女優さん全員と再契約を交わさなければなりません。
複数のAV女優さんが出演していると、なかには引退して連絡先がわからなくなっている人がいる場合が多くなるため、継続販売が非常に難しくなるのです。
そういった意味では、単体女優さんのAVよりも企画AVのほうが、5年経過したら見られなくなる可能性が高くなるわけです。
③引退後もAVの販売を継続してほしい場合は自分から連絡する必要がある
レアなケースではあるでしょうが、もしAV女優さんが引退後も出演AVの販売を継続してもらいたいのであれば、自分からAVメーカーさんに連絡して再契約をしなければなりません。
よほど熱心にAVの販売を継続してもらいたいAV女優さんであればともかく、引退してしまうともうそこまで熱心になる人も少ないでしょうから、難しいと言えます。
AV女優さんからの依頼があれば「AV5年ルール」適用前でもAVの販売停止は可能
「AV5年ルール」と聞くと「5年経たなければ、AVの販売は停止できないの?」と考えてしまうかもしれません。
しかし実際には、販売から5年が経過していなくてもAV女優さんからの申し出があれば、AVの販売を停止してくれるAVメーカーさんがほとんどです。
もし「家族に出演がバレそう!」「結婚が決まったから、AV出演の過去を秘密にしたい!」など「どうしてもAVの販売を停止してほしい!」といった事態に陥ってしまった場合は、AVメーカーさんに申し出れば受け入れてくれるでしょう。
基本的にはAVメーカーさんもプロダクションも、共通して「AV業界で働いている、または働いていた女の子を大事にする」という姿勢を持っています。
もちろん、軽い気持ちで「販売停止してください」などとは言い出すべきではありませんが、どうしても必要なときは遠慮せずに申し出るようにしましょう。
「AV5年ルール」で販売停止しても世の中から完全に出演AVの存在が消えるわけではない
「AV5年ルール」ができたことにより、より安心して女の子がAV女優さんとして働ける環境が整ったのは事実です。
しかし注意点として、もしAVの販売が停止されたとしても、世の中から自分が出演したAVが完全になくなるわけではない、ということを覚えておかなければなりません。
DVDの形でユーザーさんの手元にあるAVを回収することはできませんし、メーカーのホームページや大手AV販売サイトから商品を削除できても、違法サイトで拡散されてしまっている場合はそれらをすべて削除することはできないためです。
各AVメーカーさんもこういった違法サイトへAVの拡散にはさまざまな方法で対処しようとしていますが、とてもではないですが対処しきれていないのも事実。
「自分の出演したAVが発売されたら、完全に世の中から消すことは不可能」ということはしっかり覚えておきましょう。
まとめ
「AV5年ルール」によって、自分が出演したAVがいつまでも販売され続けたり、再編集されて新作として販売されてしまったり、といったことがなくなるのは、AV女優さんが活動を続けるうえでは安心できるポイントとなるでしょう。
そろそろ「AVメーカーさんから、再契約についてのお話が来る」というAV女優さんもいるでしょうから、あらかじめどういったルールなのか、知っておくと話がスムーズになるのではないでしょうか。
AV女優さんが安心して働けるように制定されたルールである「AV5年ルール」。
しかしその一方で、AV女優さんとして出演したAVはたとえ申請したとしても、完全に世の中から消えることはない、というのも事実です。
そういった面も考えて、実際にAVデビューをする際はしっかりと自分で考え、プロダクションなど周囲の人間に話を聞いて、納得してからにしたほうが無難と言えるでしょう。
もしAVデビューに関して迷っている点や心配な点などありましたら、どんどんプロダクションの人間に質問してくださいね!