AV女優として活動するときに必要になる「契約書」にはどのようなものがある?
AV女優として活動する際には「契約書」について、理解をしておく必要があります。
「契約」と聞くと「なんとなく難しそう」「堅苦しそうでわからない」と、ちょっと近寄りがたいもの、なんて考えてしまいがちです。
しかし「難しそうだから」なんて理由で、契約書を避けてAV女優として活動することは、現在ではほぼ不可能となっています。
なによりも契約書は、自分がAV女優として活動する際に自分自身のことを守ってくれる、という点で非常に大切なものです。
そのため、AV女優として活動するのであれば、契約書についての基本的な知識は身につけておくべき、と言えるでしょう。
そこでAV女優として活動するうえでは、どのような契約書が必要となるのか、ご紹介していきます。
AV女優がプロダクションに所属する際には契約書が必要になる
AV女優として活動するにあたっては、ほとんどの女の子はプロダクションに所属して、AVメーカーとの交渉やお仕事全体のマネージメントをしてもらうでしょう。
そしてAV女優がプロダクションに所属する際に、絶対に必要になるのが所属するプロダクションとの契約です。
「プロダクションと契約を交わすのは、不安……」なんて感じる女の子もいるようですが、もちろん不安な場合はプロダクションに所属せずに「フリーのAV女優」としての活動もできます。
しかし実際問題として、何の実績もないフリーのAV女優がお仕事をもらえるほどAV業界は甘い場所ではありませんので、新人AV女優はほぼ全員プロダクションと契約を交わし、所属すると考えておいたほうが良いでしょう。
①プロダクションとの契約はしっかり「契約書」として形に残す
AV女優とプロダクションの契約は、しっかり「契約書」として書面の形で残しておかなければなりません。
もちろんプロダクションに預けっぱなしにするのではなく、自分でも一部受け取り、保管しておきましょう。
契約を口約束で済ませてしまう、契約書は後日作成する、などと言われた場合、絶対に受け入れてはいけません。
万が一トラブルになった場合、契約書がなければ「言った」「言わない」の問題になってAV女優が不利になってしまいますし、後日契約書を作成する場合はこっそり内容を書き換えられていても文句が言えなくなってしまうためです。
もししっかりとした契約書を作成してくれないようなプロダクションは、その時点で「悪質なプロダクション」であると断言できますので、契約しないようにしましょう。
また契約書はしっかりと読んでからサインしなければなりません。
契約書は書かれている文字の分量も多いですし、内容的にも難しいのでしっかり読まずにサインしてしまう場合もありますが、わからないことは質問しながら内容を確認して、問題ないときだけサインをするのが大切です。
②AV女優とプロダクションの契約書の内容は度のプロダクションでも共通している
AV女優とプロダクションとの間で結ばれる契約書の内容は、実はどのプロダクションでも基本的には共通のものです。
イメージ的には、プロダクションによって契約書の内容が違うと考えられている場合が多いため、こう聞くと不思議に思う女の子もいるでしょう。
AV業界において、AV女優とプロダクションの間で共通の契約書が使われるようになったのは、2016年に大きく話題となった「AVへの出演強要問題」が理由となっています。
それ以前のAV業界は、プロダクションと女の子の間でしっかりとした契約書が交わされるケースは少なく、AVに出演する意思のない女の子にウソをついてAV出演をさせたり、違約金をチラつかせて出演を拒否できない状態にする、なんてケースがありました。
もちろんしっかり契約を交わしているプロダクションもありましたが、こうしたAVへの出演強要が大きな問題となったことを問題視して、AV業界はすべてのプロダクションで共通の契約書を女の子と交わして出演強要が起こらない環境づくりをおこなったわけです。
つまり「女の子はAVに出演することを納得して契約しています」と明確にする内容の契約書になった、と言えますね。
③プロダクションとの契約書にはAV女優が不利になるような内容は記載されない
AV女優とプロダクションとの間で交わされる契約書には、女の子が不利になるような内容は記載されません。
たとえば「○本のAVに出演しなければならない」「○年間は活動を続けなければならない」など、女の子の自由や人権を侵害するような内容の契約書はNGなわけです。
もちろん「罰則」や「違約金」などといった内容もNGです。
AV女優とプロダクションが交わす契約書は、あくまでも女の子が自分の意思で、自由にAV業界で働けるようにするために交わされるものです。
プロダクションと契約を交わすことで、AV女優はやりたくない内容のAVに出演させられたり出演料の未払いなどのトラブルに巻き込まれたりする心配がなくなります。
AVは出演作品ごとに契約書を作成する!二次利用されるときにも再契約が必要
AV女優が契約書を交わすのは、プロダクションに所属するときだけではありません。
AVに出演する際は、出演するAV1本1本に出演契約書が必要となります。
そのため毎月何本ものAVに出演する人気キカタン女優にとっては、契約書を確認してサインする作業だけでもかなりの重労働になります。
この出演契約書は「AVメーカー」「AV女優」「プロダクション」の三者の間で交わされるもので、AVメーカーによって「出演同意書」「出演契約書」「出演承諾書」など呼び方は違いますが、内容はほとんど同じものです。
①AV女優の出演契約書は出演するAVの内容が細かく記載されている
AVの出演契約書には、契約するAV女優がどのようなAVに出演するか、といった内容が細かく記載されています。
簡単にご紹介すると……。
・AV撮影の日時と場所
・AVの内容
・共演者の情報
・出演料と支払の時期
などの内容が盛り込まれています。
AV女優がとくに確認しておくべきなのは「AVの内容」の項目でしょう。
「本番はあるのか、ある場合は何回か」「どのような体位をおこなうのか」「避妊具(コンドーム)はつけるのか」「その他具体的な前戯(キス、フェラ、クンニなど)の内容」など、かなり細かいプレイの内容が記載されています。
しっかりと確認して、自分がNGにしているプレイ内容があったら指摘する必要があるでしょう。
また当日、出演契約書の内容になかったプレイを要求されたら断れますので、そういった意味でもプレイ内容は確認しておかなければなりません。
基本的にはAVメーカーは、プレイ内容に記載されていないプレイを撮影時におこなうことはできません。
そのため「出演契約書にフェラのことを書き忘れてしまったから、このAVではフェラができない!」「キスができない!」なんてトラブルが起こるケースがあります。
こんな場合、つい「やっても良いですよ」と言いたくなってしまうかもしれませんが、ルールはルールですので「出演契約書になかったプレイはしない」との態度を貫くようにしましょう。
②AVの出演契約書は撮影の1か月前には契約をおこなう
AVの出演契約書は、実際の撮影の1か月前には契約をおこなわなければなりません。
これは「AVへの出演契約を交わしたあと、AV女優が本当にAVに出演しても問題ないかを考えるための期間」として位置付けられています。
この1か月間で「やっぱり出演は止めたい」と考えたら、その旨を申し出れば違約金などのペナルティもなく、出演中止ができます。
とくに新人AV女優のデビューの際などは、しっかりと考える時間が必要になりますので、大切な期間と言えるでしょう。
もちろん新人AV女優だけでなく、これまで何本ものAVに出演してきたような、ベテランAV女優にも同じく契約から撮影までの1か月間の空白期間が設定されます。
「ベテランAV女優に、1か月間も出演を考える時間が必要なのか?」なんて意見も時折聞かれますが、ルールはルールですのでこればかりは仕方がない、と言えるでしょう。
③AV女優以外の出演者も出演契約書を交わしている
AV出演に当たってAVメーカーと出演契約書を交わしているのは、AV女優だけではありません。
共演するAV男優、またはエキストラとして出演する役者さんなど、そのAVに出演する人はセックスをするかしないかに関わらず、全員に出演契約書が必要になります。
これはAV女優だけでなく、AV男優やエキストラなど、すべての出演者の権利や自由を守るために決められていることです。
もちろんAV女優と同じく、AV男優やエキストラも出演を取りやめたり、AVの販売後に販売停止を求められます。
なぜAV業界では契約書が大切なのか?契約書の保管場所にも注意
現在のAV業界では、契約書が非常に重要な存在となっています。
そもそも「AVへの出演強要問題」が表面化する前のAV業界では、契約書が交わされないことによって、AVに出演したくないのに出演させられた女の子の被害が出てしまいました。
それは女の子にとっても、AV業界全体にとっても不幸なことである、という考え方が広がった結果、AV業界全体として「しっかり契約書を交わす」との流れになったわけです。
契約書は女の子だけでなく、AV業界全体がまっとうなお仕事として成立するために、非常に大事な存在と言えるわけですね。
またとくにAVへの出演契約書の場合は、契約をおこなうために何社ものAVメーカーを回ったり、大量にサインをしたりとAV女優にとって負担となるケースが多くありました。
しかし少しずつリモートでの「電子契約」も可能になってきたこともあり、AV女優の負担が少なくなってきたことも喜ばしい点ですね。
ただし「紙の契約書」を保管する場合、保管場所に注意しなければなりません。
何かトラブルがあった場合、すぐに見つかる場所に保管しておかなければなりませんが、もし家族と同居している&家族に内緒でAV女優として活動している場合、契約書が見つかったら一発でAVへの出演がバレます。
量が多いとそれだけでも保管場所に困ってしまうでしょうから、場合によってはプロダクションに相談してみるのも良いでしょう。
まとめ
AV業界で働くうえで、AV女優が契約書を交わすのは「プロダクションに所属するとき」と「AV出演するとき」の2パターンが存在します。
契約書は「自分の身を守ってくれる」存在として、非常に大切なものになりますので、しっかりと内容を確認して、納得してからサインしましょう。
まっとうな活動をしているプロダクションやAVメーカーは契約書の重要さを理解していますので、もし契約段階にあるのに契約書を出してこないようなプロダクションやAVメーカーは、悪質な存在と認識してお仕事はしないようにするべきです。
契約書は「難しい」などと敬遠せずに、わからない部分はプロダクションにも確認しながら関わっていきましょう!