AV新法による影響で今後AV業界において「総集編」が作れなくなる可能性がある!
AV業界において、毎月リリースされる作品は膨大な数になります。
しかしそのすべてが「新作」というわけではありません。
かつて撮影した素材を利用し、さまざまな作品を組み合わせて作る「総集編」も存在しています。
総集編と聞くとAVメーカ―さんはともかくとして、出演しているAV女優さんにとってはメリットはあまりない、と考える場合が多くなるでしょう。
しかし実はこの総集編、AVメーカーさんだけではなく、DVDを購入するファンの方や出演しているAV女優さんたちにとっても、メリットのある存在なのです。
そんな総集編が今後制作するのが難しくなるかもしれない、という話が現在AV業界では問題になっています。
AV業界でお仕事をしている、またはお仕事することを希望しているのであれば、AVの総集編が持っているメリットとデメリット、そして総集編が作れなくなるかもしれない理由についても知っておくべき、と言えるでしょう!
というわけで、今回はAVの総集編について解説していきます。
AVの総集編の発売にはAVメーカーさんやAV女優さんにとってどのようなメリットがある?
まずはAVの総集編が持っているメリットについて、AVメーカーさんやファンの方、そしてAV女優さんのそれぞれについてご紹介しましょう。
○AVメーカーさんにとっての総集編のメリット
AVメーカーさんが総集編を発売するメリットは、まずはなんと言っても「制作費が安く済む」ことです。
過去に販売されたAVを再編集して収録することが基本となりますので、まずスタジオ料やスタッフの人件費、AV女優さんの出演料などがかかりません。
そのため、長時間収録で定価も安くできます。
もちろん再編集のための費用や場合によってはモザイクのかけ直しなども必要となるため、まったく制作費がかからないわけではありませんし、定価も安いためAVの利益としてはそれほど大きいものではないかもしれません。
しかしAVメーカーさんの専属女優さんや、そのメーカーさんの人気シリーズなどの総集編を作ることで、AV女優さんや人気シリーズを新しいファンに知ってもらう、というメリットが出てきます。
つまりAVメーカーさんにとって総集編は、制作費が安く済むこと、そしてAV女優さんや自メーカーの人気シリーズの宣伝ツールとして使える、というメリットがあるわけです。
○AVファンの方にとっての総集編のメリット
AVファンにとっての総集編のメリットは、長時間収録のDVDを安価で手に入れられることになるでしょう。
さまざまなAVメーカーから毎月数多くのAVが発売されている現在、すべてのAVをチェックすることはまず不可能です。
また「見てみたいけれども、定価で購入するほどでもない」なんて作品もが出てきてしまうのも、仕方がない部分でしょう。
その点で、総集編であれば比較的安価に購入できて、長時間収録ですから抜きどころもたっぷりです。
さらに気になる作品やAV女優さんについてもチェックできるのも、AVファンの方にとって大きなメリットとなっています。
○AV女優さんにとっての総集編のメリット
AV女優さんは、総集編が制作されても出演料が発生するわけではないので、損だと考えるかもしれません。
しかし実際には、出演AVが総集編に使われると「二次利用料」として、AV女優さんにある程度のお金が払われる仕組みができあがっています。
かつては総集編がいくら制作されてもAV女優さんには1円も入らなかったのですが、AVの出演強要が問題となった時期に「総集編がAV女優さんに還元されないのはおかしいのではないか」という問題提起がなされ、この仕組みが作られました。
もちろん通常の出演料に比べれば格段に安くはなりますが、チリも積もれば山となる、という言葉どおり、人気のキカタン女優さんなど総集編に収録される作品が多いAV女優さんにとっては毎月そこそこまとまった金額となっているのです。
それ以外には、総集編を見た自分のことを知らないファンの方に知ってもらえる機会が増えるのも、メリットと言えるでしょう。
AV新法の成立によってAVの総集編が今後作りにくくなる理由とは?
さまざまなメリットを持つAVの総集編ですが、そんなAVの総集編が作りにくくなる理由には、AV新法が関係してきます。
AV新法の成立によって、AVに出演する際の契約が煩雑化したことは多くのAV業界関係者がご存じでしょうが、煩雑化した以外にも影響が出てきているんです。
それが「AV女優さんの知らないところで過去に出演したAVが二次利用されることを防ぐため、撮影の契約時に総集編を制作する場合はその旨を盛り込んだ契約書が必要」というルール。
AVの総集編は今まで、収録作品については各AVメーカーが決めていました。
そのため、もしその収録作品の中にもうすでにAV女優さんとは引退していて、これ以上自分が出演したAVを販売されたくない、と考えている女の子がいても、知らないところで新作の総集編として発売されてしまう、という事態が起こる可能性があったのです。
これはAVの総集編が持つ大きなデメリットであり、そういった事態を防ぐためには必要なルール、と言えるかもしれません。
ただし「じゃあ、総集編を制作するかしないかはわからないけど、とりあえず契約書には総集編を作るって内容を盛り込んでおけば問題ない!」となってしまうと、このルールの意味がまったくなくなってしまいます。
そのため「総集編を制作する場合は、いつ発売のどの総集編に収録するのかを明記しなければならない」とのルールも追加されているのですが……。
実際問題として、総集編を「いつ制作するか」などは、当然AVの撮影時には決まってはいません。
そのため「いつどの総集編に収録するか」などといった文章は契約書に盛り込めませんので、実質総集編の制作はほぼ不可能、と言えるわけです。
またそれ以外にも、AV新法の成立で総集編の制作が難しくなってしまった理由があります。
AV女優さんから出演AVの販売停止依頼があった場合、当然AVメーカーさんは販売されているAVを販売停止し、DVDの回収や動画配信サイトからの削除をしなければなりません。
そしてもしそのAV女優さんの出演AVが総集編に収録されている場合は、たとえ出演シーンがごくわずかだったとしても、その総集編そのものも回収や配信停止しなければならなくなるんです。
つまり「大人数のAV女優さんが出演している企画AVなどは、どんなに人気シリーズであっても回収の可能性が高くなるため、AVメーカーさんとしては制作しにくくなる」わけです。
これらの理由が重なって、今後AV業界では専属女優さんなど、ごく一部の総集編しか制作しにくくなる状況となってしまうと考えられるわけですね。
まとめ
AVの総集編は、AVメーカーさんやファンの方にしかメリットがないように思われることも多いのですが、実際にはAV女優さんにもメリットがあるものです。
しかしその総集編も、AV新法の制定によってかなり制作するのが難しくなってしまった、というのが事実です。
もちろんAV新法によって決められたルールは「AV女優さんの権利を守るため」ですから不要のルールとは言えませんが、それによってAV業界全体の売り上げが下がるなどの事態になってしまう可能性があるのは、難しい部分と言えますね。
今後、総集編はメーカー専属女優さんのものか、長年AV女優さんとして活躍していて、急な作品の販売停止になる可能性の低いベテラン女優さんの出演作品が中心となることが考えられます。
少々残念な状況とも言えるかもしれませんが、総集編がなくても魅力的な輝くAV女優さんになれるように、プロダクションと協力して頑張っていきましょう!